2017年3月24日金曜日

GRASS GIS の始め方

インストール

Windowsの場合

OSGeo4Wのインストーラで、アドバンストインストールを選択し、GRASS GISを入れる。同時にQGIS GRASSプラグインも入ります。

Linuxの場合

GRASS wikiにしたがって、以下のコマンドによりリポジトリ追加、インストールを行います。

sudo add-apt-repository ppa:ubuntugis/ubuntugis-unstable
sudo apt-get update
sudo apt-get install grass

GISの作業環境の決定

GRASSは、shapefileやgeotif等の複数のGISデータをひとつのmapsetの中に取り込んで作業を行います。mapsetは解析の主題別に作成されたり、共有サーバ上で作業する場合はユーザー別に作成されます。複数のmapsetは地域的にまとまったlocation内に作成されます。例えば、locationはvetnam、mapsetはsasaki,ueda,iwataといった形です。
mapsetには同一の座標系のGISデータしか取り込めない(取り込む際には変換する必要がある)ため、主に自分が対象地域でどの座標系を使うか決める必要があります。これは、自分がGRASSを使う対象地域や目的やによって異なります。
座標系は、入手可能なデータの種類、解析対象地域やその分野でよく使われているものに合わせます。私の場合面積を求めることが多いので、メインのmapsetには投影座標系であるWGS84/UTM系を使うことが多いです。
locationやmapsetのデータはディレクトリの形で保存されます。GRASSを起動すると、ロケーションやマップセットを保存する場所を聞かれます。ホームディレクトリなどにGRASSのデータベース要ディレクトリを作成し、指定します。

locationの作成

GRASSの起動後、上記で指定したGRASSデータベースに作成するlocation名、mapset名を設定します。mapsetには座標系のほか、regionを指定するように聞かれます。regionはマップセットにおいて解析対象とする矩形の範囲を指定します。緯度経度のほか、任意のGISデータが含まれる範囲を指定することができます。location作成後に変更することが可能なため、データをGRASSに取り込んでから、r.regionコマンドで指定することが多いです。
location内に、PERMANENTというmapsetが自動で作成されます。PERMANENTのmapsetには、オリジナルのGISデータを読みこみ、解析作業はPERMANENT以外のmapset内からPERMANENT内のデータを参照し作業を行います。PERMANENT内のデータは基本的に読み込み専用とすることで、解析を試行錯誤で行っても、データの原典が出所不明になることが防げます。

データの取り込み

location、mapsetを作成したら、PREMANENTに移動し、r.in.gdalやv.in.ogrにてデータを取り込みます。
その後、目的のmapsetにて解析を行います。

解析

各コマンドを利用し、解析を行います。コマンドのヘルプはg.manual <コマンド名> でブラウザ上で確認できます。g.guiでGUIでのコマンド実行ができるほか、各コマンドをオプション無しで実行しても、各コマンドのGUIが起動します。CUIはターミナルにGRASSのガワがかかっているだけなので、通常のbashスクリプト内にコマンドを記載するとそのコマンドが実行されます。

出力

様々なパターンの画像を出力したりする場合はGRASSのd.mon等をスクリプト内に記載します。r.out.gdal等で適宜各種GISデータとして出力することもできます。QGISからはGRASSデータベース内のマップを直接参照できるため、こちらが便利です。

Landsat 8 OLIと4,5,7の違いメモ

Landsat 8 (OLI) と、Landsat4,5,7 
以下を参照
http://landsat.usgs.gov/Landsat8_Using_Product.php
http://landsat.usgs.gov/documents/Landsat8DataUsersHandbook.pdf

同じ点
  • 705 km, 98.2°軌道、16日周期
  • 各画素に格納されているのは、量子化されたDigital Numbers(DN値)である。
  • 16bitの符号なし整数が格納されている
  • DN値から Top Of Atmosphere (TOA) Reflectance:大気上端放射輝度値に変換するためのパラメータはMTLファイルにより提供されている
違う点
L8は
  • DN値よりTOA放射輝度値を算出できる。
  • 計算式は ρλ = (MρQcal + Aρ)/sin(θSE)


注意点
  • バンド11(TIRS)は迷光の影響があるので、利用は推奨されない